北海道沿岸に生息しているゼニガタアザラシは観光客に人気で観光資源となっています。
一方「とっかり食い」と言い、網に掛かったサケなどをかじったり傷つけたりすることもあり漁業被害も引き起こしています。
当館では、平成25年度から環境総合推進事業(環境省)での漁業被害の軽減対策を目的に、人とゼニガタアザラシとの共存のために北海道大学FSCと浅虫水族館が共同で研究を行っています。
飼育中のゼニガタアザラシ
研究発表について
【日時】 平成27年1月27日(火) 13時より
【場所】 海獣館・ゼニガタアザラシプール
【実験内容】サケ定置網の開口部のサイズの違いによってどのような行動をとるのか水槽内で実験を行ないます。なお、実験内容は、国立大学法人 北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 三谷 曜子(みたに ようこ)准教授が発表します。
【導入の経緯】ゼニガタアザラシは、1998年に環境省のレッドリストにおいて絶滅危惧ⅠB類として保護されてきましたが、その後生息個体数が安定してきたことから、2012年からは絶滅危惧Ⅱ類に引き下げられています。一方、アザラシの餌生物が沿岸漁業の漁獲対象水産物と競合していることから、定置網や刺し網などにおいての被害が多く報告され、漁業との共存を実現するための対策を求める声が寄せられています。
飼育中のゼニガタアザラシ